毎月、社員が時間をかけて作っている経営資料。
売上実績、経費の集計表、得意先別の売上ランキング……。
きれいに数字が並び、グラフまで付いている資料もあるでしょう。
ところで社長、その資料を最後にじっくり見たのはいつですか?
「毎月届いているけれど、最近はあまり見ていないな」
もしそう感じたなら、一度考えてみてほしいことがあります。
その資料は、今も本当に必要なのでしょうか。
もちろん、社長が見ていないからといって、不要とは限りません。ほかの部署で活用されているかもしれません。
ただ、作ることが当たり前になり、誰も必要性を確認していない資料があるとしたら、少しもったいない話です。
その資料、何のために作っていますか?
例えば、毎月3時間かけて作っている売上集計表があるとします。
担当者は各部署からデータを集め、Excelに入力し、グラフを整えて提出します。
ところが、その資料を受け取る側は、ざっと目を通すだけ。
会議で使われるわけでもなく、何かの判断に役立てられるわけでもありません。
これでは、せっかくの3時間が十分に生かされていないことになります。
※月3時間、12か月として計算した仮の例です。
もちろん、時間がかかっているから悪いわけではありません。
その資料によって大切な経営判断ができているなら、作る価値は十分にあります。
問題は、時間をかけて作っているのに、何の判断にも使われていないことです。
資料を減らす前に、社長に考えてほしいこと
では、使われていない資料を見つけたら、すぐに作成をやめればよいのでしょうか。
私は、そうとは限らないと思います。
なぜなら、資料そのものが不要なのではなく、経営判断に必要な情報が載っていないだけかもしれないからです。
例えば、売上の一覧表。
得意先別の売上金額がずらりと並んでいても、それだけでは経営判断につながらないことがあります。
しかし、そこに前年との比較や粗利益の情報が加われば、どうでしょうか。
「売上は増えているのに、利益が減っている得意先がある」
「特定の得意先への依存度が高くなっている」
そんな変化に気づくきっかけになるかもしれません。
資料を作る目的は、数字をきれいに並べることではありません。
社長が会社の状況を理解し、次の判断をするために役立つこと。
その視点で、資料の中身を見直してみてはいかがでしょうか。
Excelの表を増やすより、見るべき数字を絞る
「経営に役立つ資料を作ろう」と考えると、あれもこれも数字を載せたくなるものです。
しかし、数字が多ければ、良い資料になるわけではありません。
例えば、毎月の経営会議で使う資料なら、次のような情報に絞る方法もあります。
- 売上と利益は、予算に対してどうだったか
- 前年と比べて、大きく変わった項目は何か
- その変化は、なぜ起きたのか
- 次に確認したいこと、対応すべきことは何か
大切なのは、すべての数字を一度に見せることではなく、社長が気づくべき変化を、わかりやすく伝えることです。
Excelでも、見せ方を少し工夫するだけで、数字の意味が伝わりやすくなります。
例えば、予算と実績の差が大きい項目を目立たせたり、月ごとの推移をグラフにしたりする方法です。
ただし、グラフを増やすことが目的になってはいけません。
「この数字を見て、何を判断してほしいのか」
それを先に考えることが大切です。
資料を作る人だけに、改善を任せない
資料の見直しを進めるとき、もう一つ大切にしたいことがあります。
それは、実際に資料を作っている社員の話を聞くことです。
例えば、毎月の資料を作るために、複数のシステムから数字を取り出し、Excelに転記しているかもしれません。
その作業に時間がかかっているのであれば、資料の中身だけでなく、作り方も見直す余地があります。
必要な数字を整理し、データの取り込みや集計を簡単にする。
場合によっては、Excelの機能や自動化ツールを使うことで、手作業を減らせることもあります。
ただし、ここでも順番が大切です。
まず、必要な資料なのかを考える。次に、必要な情報を整理する。そして、作成方法を改善する。
中身を確かめてから、作り方を変える。
- STEP 01
誰が使う?
社長だけでなく、ほかの部署での使い道も確認する。
- STEP 02
何を判断する?
気づきたい変化と、判断に必要な数字を絞る。
- STEP 03
もっと簡単に
作れない?転記や集計の手間を減らし、作る人の負担を軽くする。
使う人と作る人が、一緒に見直すことが大切です。
必要性が曖昧なまま自動化しても、使われない資料が早く完成するだけかもしれません。
業務改善は、便利なツールを作ること自体が目的ではありません。
作る人の負担が減り、使う人にとっても役立つ。
そんな仕組みを、関係者と一緒に考えていくことが大切だと思います。
次の会議で、ひとつだけ確認してみませんか?
次に経営資料を受け取ったとき、こんなことを考えてみてください。
「この資料を見て、私は何を判断しただろう?」
すぐに答えが浮かぶ資料もあれば、そうでない資料もあるかもしれません。
もし使い道がはっきりしない資料があれば、担当者に作成をやめるよう指示する前に、何のために作っているのか、誰が使っているのかを確認してみましょう。
そのうえで、必要な資料はもっと役立つ形にする。不要な作業は減らす。
それだけでも、社員の時間の使い方や、経営判断の質を見直すきっかけになります。
使うためにある。
当たり前のことですが、忙しい毎日の中では、つい忘れてしまうことなのかもしれません。
経営資料を、もっと役立つものに
毎月の経営資料が、単なる報告のための資料になっていませんか?
中小企業利益改善研究会では、予算実績管理や経営数字の見える化、Excelを活用した管理資料の作成、経理業務の効率化などを通じて、会社の改善を支援しています。
「毎月の資料を、もっと経営判断に役立てたい」
「資料づくりの負担を減らしたい」
そんなお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
対応範囲・進め方・費用をご案内し、ご同意後に個別支援を進めます。